バンドを見ていて、
「ベースって本当にいる?」
と思ったことがある人は、たぶん少なくないと思います。
ギターは目立つ。
ボーカルは当然聞こえる。
ドラムがなくなればリズムが一気に分かりにくくなる。
でもベースは、
何を弾いているのかよく聞こえない。
だったら、
「ギターとドラムだけでもよくない?」
と思うのは、それほど変な疑問ではありません。
実際、ベースギターがいない音楽もあります。
だから最初に、
「ベースは絶対必要!ベースを分かってない!」
みたいな話をするつもりはありません。
結論から言えば、
ベースギターという楽器そのものは、絶対に必要ではありません。
ただし、
ベースギターがいらないことと、低音を支える役割までいらないことは別です。
ここを分けると、
「なぜ多くのバンドにベースがいるのか」
がかなり分かりやすくなります。
ベースギターはいなくてもいい。でも「ベースの役割」はかなり大きい
例えば、
ボーカル。
ギター。
ドラム。
この3人だけでも曲はできます。
極端に言えば、
ボーカルとギターだけでも音楽は成立します。
ピアノ一台でも成立します。
だから、
「音楽を成立させるためにベースギターが絶対必要か?」
と聞かれたら、答えはNOです。
でも、多くのロックバンドでベースが使われるのには理由があります。
ベースは主に、
- 低い音域を埋める
- コードの土台を作る
- ドラムと上物の間をつなぐ
- 曲のノリや重さを作る
といった役割を持っています。
つまり重要なのは、
「ベースという楽器が必要なのか」ではなく、「ベースが担当している仕事を誰がやるのか」
です。
ここをごちゃ混ぜにすると、
「ベースがいなくても演奏できる」
↓
「じゃあベースは不要」
となってしまいます。
でも実際には、ベースギターがいない編成でも、キーボードやシンセ、低音を強調したギターなどがその仕事を担当していることがあります。
なぜベースはいらないように感じるのか
そもそも、なぜギターやドラムよりベースの必要性が分かりにくいのでしょうか。
理由の一つは、
ベースは単体で目立つことより、全体を支えることが多い楽器だからです。
ギターソロなら、
「今ギターが弾いている」
と分かります。
ドラムのフィルも分かりやすい。
ボーカルなら言うまでもありません。
でもベースは、曲の中でずっと鳴っていても、
「ベースを聞いている」
という意識にならないことがあります。
むしろ、
ベースがある状態が普通になっている。
だから、あるときには気づかない。
なくなって初めて、
「あれ、なんか軽いな」
となります。
これは、
聞こえないから働いていない
という話ではありません。
目立つ仕事と、支える仕事が違うだけです。
ベースを抜くと何が変わる?
曲によります。
これは絶対に先に言っておいたほうがいいです。
すべての曲で、
「ベースを抜いたらスカスカになる」
とは限りません。
アレンジによっては成立します。
ただ、一般的なバンドアレンジからベースだけをそのまま抜くと、いくつか変わりやすいところがあります。
音の下側が薄くなる
ギターより低い音域をベースが担当している場合、その部分が空きます。
すると、
迫力。
重さ。
厚み。
といったものが変わって聞こえることがあります。
特に大きなスピーカーやライブ会場では分かりやすい部分です。
コードの感じ方が変わる
ベースは単に「低い音を鳴らしている」だけではありません。
例えばギターがコードを鳴らしていても、その下でベースが何の音を弾くかによって、コード全体の聞こえ方が変わることがあります。
だから、
ギターがコードを鳴らしているからベースはいらない
とは単純には言えません。
同じ和音の上でも、
下で何の音が鳴っているか。
ここも音楽の一部です。
ドラムのノリの感じ方も変わる
ベースはドラム、とくにキックと一緒に動くことが多いです。
そのためベースを抜くと、
ドラムそのものは同じ演奏をしているのに、曲全体の推進力や重心が変わって聞こえることがあります。
ここが、
「ベースはリズム楽器でもある」
と言われる理由の一つです。
リズムならドラムだけでいいんじゃない?
これはかなりもっともな疑問です。
リズムを担当するなら、
「ドラムがいるじゃん」
となります。
でも、ドラムとベースは同じ仕事ではありません。
ドラムは、
どこで拍を感じるか。
どこにアクセントがあるか。
どんなノリなのか。
を強く作ります。
一方ベースは、
音程を持ったままリズムを作れます。
例えば、
ドン、ドン、ドン、ドン
とキックが鳴っているところに、
ベースが音程を変えながら乗る。
すると、
リズムであると同時に、
コード進行やメロディとの関係まで作れます。
つまりベースは、
リズムとハーモニーの中間にいるような楽器
と考えると分かりやすいです。
ドラムだけでは、その部分をそのまま代用できません。
じゃあギターで低い音を弾けばベースはいらない?
これはできます。
ここは、
「いや、絶対できません」
と言ったらおかしいです。
アレンジ次第ではギターで低音を補うこともできます。
低いチューニング。
機材による音域の補強。
オクターブ系のエフェクト。
あるいはギター自体の弾き方を変える。
方法はいろいろあります。
だから、
ギターでベースの役割を一部担当することは可能です。
ただし、その瞬間ギターは、
ギター本来の仕事に加えて、
ベースが担当していた低音まで処理する
ことになります。
結局、
ベースという人はいなくても、
ベースの役割そのものは別の誰かが引き受けている。
という状態になることがあります。
キーボードがいればベースはいらない?
これも、場合によってはYESです。
キーボードの左手。
シンセベース。
打ち込み。
こうした方法で低音パートを担当できます。
実際、
低音担当=必ずベースギター
ではありません。
ここが今回一番重要なところです。
ベースギターという楽器と、
音楽の中のベースパートは別物です。
| 編成 | ベースギター | 低音担当 |
|---|---|---|
| 一般的なロックバンド | いることが多い | ベース |
| ギター+ドラム | いなくても成立 | ギターやアレンジで補う場合あり |
| キーボード入り | いなくても成立 | キーボード |
| 打ち込み中心 | 必要ない | シンセベースなど |
| 弾き語り | 必須ではない | なくても成立 |
| ベースレス編成 | いない | 他楽器または低音をあえて空ける |
こうして見ると、
「ベースはいらない」は半分正しい
とも言えます。
ベースギターがなくても成立する音楽はある。
でも、
「だから低音やその役割には意味がない」
とはならない。
ベースなしのバンドが成立するなら、やっぱり不要では?
成立します。
ここは認めてしまったほうが話が早いです。
ベースギターがいないバンドもあります。
ただし、その場合は大きく分けると、
別の楽器が低音を担当している
か、
低音が少ないこと自体をサウンドとして成立させている
ことが多いです。
つまり、
「一般的な4人組ロックバンドから、そのままベースだけ消した」
という状態とは違います。
最初からベースレスを前提にアレンジされた音楽なら、その音が完成形です。
だから、
ベースなしで成立するバンドがある=どんなバンドでもベースを抜いて問題ない
ではありません。
料理で言えば、
最初から辛くない料理と、
辛い料理から唐辛子だけ全部抜く
くらい違います。
元の設計が違うんです。
ベースは聞こえないのになぜ重要と言われる?
「ベースって聞こえない」
もよくある話です。
これにはいくつか理由があります。
まず、ベースはメロディとして意識して聞かれにくい。
さらにスマホや小さなスピーカーでは、低い音域が十分に再生されにくいこともあります。
そして何より、
人は曲を聞くとき、すべてのパートを同じように意識して聞いているわけではありません。
ボーカルを追っていれば、ベースラインまで頭の中で追跡していないことがあります。
でも、
聞き取れていない
と
影響していない
は別です。
低い音域のタイミングがリズム知覚に影響しやすいことを示した研究もあります。
ただし、ここから、
「科学的にベースが一番重要だと証明された」
みたいなことは言えません。
そこまで話を広げるのは違います。
言えるのは、
低音には低音なりの役割があり、単に目立たないから不要とは言えない
というところまでです。
「4人のうち1人いなくなるならベースでは?」はどうなのか
これも面白い疑問です。
例えば、
ボーカル。
ギター。
ベース。
ドラム。
の4人組がいる。
一人休むことになった。
誰が一番困らない?
こう考えると、
「ベースじゃない?」
と思うかもしれません。
でも、実際には曲によります。
ギター一本でコードを支えている曲なら、ギターが消えたらかなり変わります。
ドラムが消えればリズムの印象が大きく変わる。
ボーカル曲ならボーカルがいなくなれば別物です。
ベースが消えても演奏は続けられるかもしれません。
ただし、
演奏を最後まで続けられることと、元の曲と同じように聞こえることは別です。
そしてこれはベースに限りません。
アレンジを変えれば、
ドラムなし。
ギターなし。
ベースなし。
どれも成立させることはできます。
音楽は意外と自由です。
「ベースは絶対必要」と言うのも少し違う
私は、
「ベースはいらない」
に対して、
「いや、ベースこそ一番重要なんだ!」
と返す必要もないと思います。
ベースが一番重要な曲もある。
ギターが中心の曲もある。
ドラムが強烈に曲を支配していることもある。
ボーカルだけで成立する音楽だってあります。
だから、
どの楽器が一番偉いか
という話にしてしまうと、たぶん答えは出ません。
重要なのは、
その曲で、そのパートが何をしているのか
です。
ベースの必要性も同じです。
ベースが簡単そうに見えるのも「いらない」と感じる理由かもしれない
ギターを見るとコードをたくさん押さえている。
ドラムは手足を全部使っている。
それに対してベースを見ると、
「一音ずつ弾いているだけじゃない?」
と見えることがあります。
でも、
音数が少ない
=簡単
=必要ない
ではありません。
例えば同じ一音でも、
どのタイミングで入るのか。
どの長さまで伸ばすのか。
ドラムのどこに合わせるのか。
次のコードへどうつなぐのか。
それだけで曲のノリは変わります。
たくさん弾くことだけが難しさではありません。
逆に言えば、
ベースが必要以上に動かず、一見何もしていないように見えること自体が、その曲では正解ということもあります。
「ベースいらない」が、自分がベースを弾く意味が分からないという話なら
ここまでは、
バンドにベースは必要なのか
という話でした。
でも検索している人の中には、
自分がベースを弾いていて、
「俺、いる意味あるのかな」
と思っている人もいるかもしれません。
それは少し違う話になります。
ベースラインが聞こえない。
ギターのほうが楽しそう。
自分だけ地味に感じる。
練習していても面白くない。
そうなっているなら、
ベースの必要性を証明しても、あなた自身が楽しくなるとは限りません。

「ベースは重要なんだから続けろ」
ではないんです。
重要な楽器かどうかと、
自分がその楽器を弾きたいかどうかも別です。
ベースはいらない?よくある疑問
ベースなしでもバンドはできますか?
できます。
ベースギターがいない編成は成立します。
ただし、低音を別の楽器が担当したり、ベースレス前提のアレンジにしたりすることがあります。
ギターとドラムだけでも曲になりますか?
なります。
ただし一般的なギター・ベース・ドラム編成からベースだけ抜いた場合、低音やコードの土台、全体の重さなどが変化することがあります。
ベースはドラムで代用できませんか?
完全に同じ役割ではありません。
ドラムはリズムを強く作れますが、通常のベースのように音程を使ってコードや低音ラインを作る楽器ではありません。
ベースをギターで代用できますか?
アレンジ次第では可能です。
ただしギター側が低音部分まで担当する必要があります。
キーボードがいるならベースはいらないですか?
キーボードやシンセが低音を担当する編成なら、ベースギターがいなくても成立します。
ベースは聞こえないのになぜ必要なんですか?
ベースはメロディとして意識されにくい一方、低音、コードの土台、ドラムとのリズムなどを支えていることがあります。
聞き取りにくいことと、働いていないことは同じではありません。
ベースがなくなると本当にスカスカになりますか?
曲やアレンジによります。
ベースを前提に作られた曲からそのまま抜けば薄く感じる場合がありますが、最初からベースレスで作られた音楽なら成立します。
結局ベースは必要ですか?
ベースギターそのものが絶対必要とは言えません。
ただし、多くのバンドではベースが低音、リズム、コードの土台など重要な役割を担当しています。
ベースがいらないのではなく、「誰がその仕事をするか」の話
結局、
「ベースっていらなくない?」
という疑問への答えは、
場合によってはいなくてもいい。
です。
ベースギターがない音楽は普通に成立します。
だから、
「ベースは絶対必要」
と言い切る必要はありません。
でも、
低音。
リズム。
コードの土台。
音の厚み。
そうしたベースが担っていた役割まで全部なくしても同じなのかというと、話は変わります。
キーボードがやる。
シンセがやる。
ギターが補う。
アレンジそのものを変える。
低音が少ないことを音楽の個性にする。
いろいろできます。
だから本当の答えは、
ベースが必要かどうかではなく、その曲に必要な音を誰が担当するのか。
そこなんだと思います。
ベースがいなくても音楽はできます。
でも、多くのバンドがわざわざベースを入れているのにも、ちゃんと理由があります。
「聞こえにくいのにいる人」ではなく、
気づかないところで曲の下側を作っている人。
そう考えてもう一度曲を聞いてみると、
今までよく分からなかったベースが、少し違って聞こえるかもしれません。

