楽器を手放そうかな。
そう思っても、
なかなか簡単には決められないことがあります。
もう何年も弾いていない。
ケースもほとんど開けていない。
部屋では場所を取っている。
今後使う予定も、正直ほとんどない。
それなのに、
いざ手放そうとすると迷う。
「またいつか弾きたくなるかもしれない」
「せっかく買ったのにもったいない」
「思い出がある」
「売ったあと後悔しないかな」
そう思うこともあると思います。
私は、
迷っている楽器を無理に手放す必要はない
と思っています。
でも同時に、
もう使う予定もないのに、
「いつか使うかもしれない」
だけで何年も持ち続けなければいけないとも思いません。
大事なのは、
楽器を残すことでも、
売ることでもなく、
自分が納得して手放せるかどうか。
だと思います。
そして、
手放すと決めたなら、
捨てるだけではありません。
誰かに譲る。
売る。
委託する。
次に使ってくれる人へ渡す。
いろいろな方法があります。
今回は、
楽器を手放そうか迷っているところから、
残すのか。
手放すのか。
そして手放すなら、どうするのか。
そこまで一緒に考えてみます。
楽器を手放せないのは、まだ使いたいからとは限らない
長く持っている楽器って、
単なる物ではなくなることがあります。
初めて買ったギター。
学生時代に使ったベース。
部活で吹いていたサックス。
親に買ってもらったピアノ。
何年も使ったバイオリン。
ライブに何度も出た楽器。
そこには、
その頃の自分までくっついています。
だから、
「もう使わないなら売ればいいじゃん」
と言われても、
そんな簡単な話ではない。
私はそれで普通だと思います。
でも、
一つ分けて考えてみたいです。
その楽器をこれからも使いたいから残しているのか。
それとも、
昔大切だったものだから手放せないのか。
これは結構違います。
思い出として残したいなら、
もちろん残せばいい。
でも、
「昔大切だった」
だけで、
今後もずっと所有し続けなければならないわけではありません。
「いつかまた弾くかも」は本当にあるのか
楽器を手放そうとすると、
かなりの確率で出てくるのが、
「またいつか弾くかもしれない」
だと思います。
もちろん本当にあります。
仕事が落ち着いたら再開したい。
子育てが終わったらまたやりたい。
今は受験で休んでいるだけ。
具体的に再開したい曲がある。
そういう人なら、
急いで手放さなくてもいいと思います。
でも、
何年も触っていない。
再開する時期も決まっていない。
弾きたい曲も特にない。
楽器を見るたび、
「いつかやらなきゃ」
と思うだけ。
それなら、
「いつか」は、残しておく理由を作るための言葉
になっている可能性もあります。
私は、
再開する未来を想像したときに、
「また弾きたい」
と思うのか、
「まあ、いつかね」
くらいなのか。
そこを見てもいいと思います。
楽器を手放したら後悔しそうなら、今は売らなくてもいい
これは本当にそうです。
まだ迷っている。
売ることを想像するとかなり寂しい。
同じモデルを二度と買えない。
思い入れが強い。
家族からもらった。
そんな楽器なら、
私は急いで手放さなくてもいいと思います。
一度ケースに入れる。
別の場所へ置く。
半年くらい見えないところへ置いてみる。
それで、
「やっぱり必要だった」
と思えば残す。
逆に、
半年なくても何も困らなかった。
弾きたいとも思わなかった。
部屋が広くなってむしろ快適だった。
なら、
気持ちも少し変わるかもしれません。
迷っている状態と、手放す準備ができている状態は違います。
逆に、こんな楽器は手放す候補にしてもいいと思う
私は、
次のような状態なら、
一度手放すことを考えてもいいと思います。
- 1年以上ほとんど使っていない
- 再開する予定が具体的にない
- 弾きたい曲も特にない
- 別の楽器をメインにしている
- 部屋のスペースをかなり取っている
- メンテナンスだけ必要になっている
- 楽器を見るたび「やらなきゃ」と感じる
- 今は別の趣味に時間を使いたい
- 誰かが使ってくれた方がいいと思う
- 手放した後を想像すると寂しさより少しスッキリする
全部当てはまる必要はありません。
ただ、
こういう状態が続いているなら、
持っていることより、手放した後の方が自分に合っている
可能性はあります。
こんな楽器なら、一度保留してもいい
逆に、
私はこういう楽器なら少し考えます。
初めて買った楽器
最初の一本って、
金額とは別の価値があります。
もう弾かなくても、
「あれだけは残しておけばよかった」
となることがあります。
家族や大切な人からもらった楽器
買い戻せばいい、
では済まない楽器です。
思い出を残したいなら、
無理に手放さなくてもいいと思います。
生産終了や希少なモデル
一度売ったら、
同じものを買い戻せない可能性があります。
迷いがあるなら、
少し調べてからでも遅くありません。
また弾きたい気持ちがはっきり残っている
今は忙しい。
でも、
「あの曲をまた弾きたい」
と思っている。
なら、
まだ手放すタイミングではないのかもしれません。
「手放す?残す?」を一度確かめてみる
難しく考えなくてもいいので、
次の質問を考えてみてください。
1.この1年で何回使った?
何度も使っているなら、
まだ現役です。
一度も使っていないなら、
次へ。
2.今、弾きたい曲がある?
あるなら、
残してみてもいいと思います。
特にないなら、
次へ。
3.半年間この楽器が家になくても困る?
困るなら残す。
たぶん何も変わらないなら、
手放す方向に少し近いかもしれません。
4.売ったあと同じ楽器を買い戻せる?
簡単に買い戻せるものと、
二度と手に入りにくいものでは違います。
5.売らなくても、誰かが使ってくれるなら渡したい?
「それなら嬉しい」
と思うなら、
所有したいというより、
大切にしてほしい
という気持ちなのかもしれません。
6.楽器を見たとき、弾きたいと思う?それとも邪魔だと思う?
これも結構分かりやすいです。
7.手放した部屋を想像するとどう感じる?
寂しい。
なら少し待つ。
スッキリする。
なら、
そろそろ手放してもいい時期なのかもしれません。
大切な楽器だからこそ、眠らせ続けないという考え方もある
これは私は結構好きな考え方です。
楽器を大切にするというと、
ずっと自分が持っていることを想像します。
でも、
必ずしもそうではないと思います。
自分はもう弾かない。
何年もケースに入れっぱなし。
でも、
その楽器を欲しい人がいる。
その人なら毎週弾いてくれる。
ライブで使うかもしれない。
練習するかもしれない。
そう考えると、
自分のところで眠らせ続けるより、次の人へ渡すことも大切にする方法の一つ
だと思います。
売る。
譲る。
どちらでもいい。
「捨てる」のではなく、
次へ渡す。
そう考えると、
少し手放しやすくなる人もいると思います。
楽器を手放す方法は一つではない
手放すと決めたら、
次は方法です。
大きく分けると、
売る。
譲る。
委託する。
個人で売る。
処分する。
このあたりになります。
楽器専門の買取店へ売る
一番手間が少ない方法の一つです。
楽器を扱っている専門業者へ査定してもらい、
金額に納得すれば売る。
楽器によっては、
宅配。
店頭。
出張。
などがあります。
メリットは、
楽器として査定してもらえること。
です。
一般的なリサイクルショップより、
メーカーや型番、楽器の状態などを見てもらいやすい場合があります。
また、
大型だったり、
発送が面倒だったりする楽器なら、
出張査定が使えるとかなり楽です。
一方で、
個人売買より必ず高くなるとは限りません。
手間を減らしたい人向きだと思います。
メルカリ・ヤフオクなどで自分で売る
自分で価格を決められるのが大きいです。
専門店の査定額より高く売れる可能性もあります。
ただし、
写真を撮る。
商品説明を書く。
質問へ答える。
梱包する。
発送する。
購入者とやり取りする。
こういう手間があります。
また、
楽器は状態について認識の違いが出やすい物でもあります。
傷。
音。
ネック。
キー。
電装。
メンテナンス状態。
そのあたりを自分で説明できる方が向いています。
多少手間がかかっても、自分で価格を決めたい人向け
だと思います。
委託販売を利用する
楽器店などに預けて、
売れたときに代金を受け取る方法です。
自分で購入者を探す手間を減らしながら、
買取より高い価格を狙える場合があります。
ただ、
すぐ売れるとは限りません。
手数料もあります。
急いで手放したい人より、
時間がかかっても納得できる条件で売りたい人
に向いています。
知人や後輩に譲る
私は、
思い入れのある楽器なら、
これもすごく良い方法だと思います。
自分が知っている人。
これから楽器を始めたい人。
後輩。
友人。
そういう人に渡せれば、
その後どう使われるのかも想像できます。
高く売ることより、
大切に使ってくれる人へ渡したい
のであれば、かなり相性がいいです。
ただし、
お金を受け取る場合は、
後から状態について揉めないよう、
傷や不具合などは先に伝えておいた方がいいと思います。
寄付という方法もある
受け入れている団体や学校などが見つかれば、
寄付できる場合もあります。
ただし、
どんな楽器でも受け入れてもらえるとは限りません。
状態。
楽器の種類。
時期。
受け入れ先。
条件はそれぞれです。
「売るより誰かに使ってほしい」
と思う人なら、候補として調べてみてもいいと思います。
リサイクルショップへ持っていく
手軽さはあります。
近くの店舗へ持っていけば、その場で査定してもらえる場合もあります。
ただ、
私は楽器なら、
一度は楽器を専門に扱うところでも価値を確認してから
でもいいと思います。
理由は、
楽器って、
見た目だけでは価値が分かりにくいからです。
古い。
傷がある。
何年も使っていない。
それでも、
メーカーやモデルによっては価値が残っていることがあります。
楽器を手放す方法を比べると
ざっくり分けると、
- とにかく楽に手放したい → 楽器専門買取
- 少しでも自分の希望価格に近づけたい → 個人売買・委託販売
- 誰が使うのか分かる方が嬉しい → 知人・後輩へ譲る
- お金より役立ててほしい → 寄付先を探す
という感じです。
どれが一番正しいわけではありません。
自分が、
何を優先するのか。
で決めればいいと思います。
売るなら「自分で価値を決めない」方がいい
楽器を手放すとき、
私はここがかなり重要だと思っています。
何年も使っていない。
古い。
傷がある。
初心者向けモデル。
昔買ったもの。
そうすると、
「こんなの大した金額にならないだろう」
と思いやすい。
でも、
自分にはいらなくなったことと、その楽器に価値がないことは別です。
これは分けた方がいい。
メーカー。
型番。
年代。
状態。
付属品。
中古市場での需要。
楽器によって違います。
自分で、
「どうせ0円」
と決めて捨てる必要はありません。
本当に手放すのであれば、
一度だけ価値を確認する。
私はそれでいいと思います。
査定したからといって、売らなくてもいい
ここも勘違いしなくていいと思います。
査定を頼んだ。
値段が出た。
だから売らなければならない。
そんなことはありません。
金額を見る。
思ったより高かった。
それなら売る。
思ったより安かった。
それなら残す。
家族と相談する。
知人へ譲る。
それでもいい。
査定は、手放すかどうかを決める材料の一つ
として使えばいいと思います。
まだ迷っている人ほど、
値段が分かったことで逆に判断しやすくなることもあります。
楽器を手放す前にやっておいてもいいこと
大切な楽器なら、
そのまま発送して終わりにする前に、
少しだけ残しておくのもいいと思います。
写真を撮る
正面。
裏。
細かい傷。
ケース。
一緒に演奏していたころの写真でもいい。
物を残さなくても、
思い出は残せます。
最後に一度演奏する
まだ音が出せるなら、
最後に一度だけ弾いてみる。
そこで、
「やっぱり残したい」
と思うかもしれない。
逆に、
「ありがとう。もういいかな」
と思うかもしれません。
どちらでもいいと思います。
メーカー・型番・シリアル番号を残す
後から、
「あの楽器なんだったっけ」
となることがあります。
写真でもいいので、
記録しておくといいと思います。
付属品を探す
ケース。
保証書。
説明書。
アダプター。
スタンド。
マウスピース。
その他付属品。
売却するなら査定に影響する場合もあるので、一度家の中を確認してみてもいいと思います。
手放したあとに後悔しやすいケース
私は、
次のような状態なら少し慎重に考えた方がいいと思います。
勢いで売ろうとしている
今日嫌なことがあった。
演奏に失敗した。
バンドで揉めた。
その勢いで、
「もう全部売る!」
となっている。
それなら、
一旦待ってもいい。
まだ普通に弾きたい
今後も演奏したい気持ちがはっきりあるなら、
売らなくてもいいと思います。
同じものを買い戻せない
希少モデル。
生産終了。
思い出の一点物。
こういうものは慎重に。
お金だけを理由に迷っている
今すぐお金が必要だから売る。
もちろん事情によってはそれもあります。
ただ、
後から買い戻したくなる可能性が高いなら、
一度考えてもいいと思います。
逆に、手放しても後悔しにくいのは
もう何年も使っていない。
再開する予定もない。
別の楽器を使っている。
家では邪魔になっている。
誰かに使ってもらった方がいいと思っている。
そして、
手放した後を想像したとき、
少しスッキリする。
私は、
こういう状態なら、
手放す準備がかなりできていると思います。
楽器を手放す人によくある疑問
楽器は何年使わなかったら手放した方がいい?
年数だけでは決められないと思います。
一年使っていなくても再開する人はいるし、
数か月でももう完全に興味がない人もいます。
期間より、
これから使いたいと思っているか。
で考えた方がいいと思います。
手放したら後悔しませんか?
する可能性はあります。
だから、
強く迷う楽器は急いで売らなくてもいい。
一方で、
後悔するかもしれないという理由だけで何年も持ち続ける必要もありません。
楽器は売るのと譲るの、どちらがいい?
何を優先するかだと思います。
お金にしたいなら売る。
知っている人に大事にしてほしいなら譲る。
どちらも立派な手放し方です。
古い楽器でも売れる?
楽器によります。
メーカー、型番、年代、状態などで違うので、
自分だけで判断せず査定してもらうのも一つです。
壊れた楽器でも査定してもらえる?
業者や楽器によって対応が違います。
壊れているから必ず価値がないとは限らないので、対象になるか確認してみてもいいと思います。
査定したら必ず売らないといけない?
必ず売却しなければならないとは限りません。
利用するサービスの条件を確認したうえで、
査定額を見てから判断すればいいと思います。
思い出のある楽器は残した方がいい?
私は、
手放したあとに強く後悔しそうなら残していいと思います。
趣味の物を全部効率だけで整理する必要はありません。
まとめ|楽器を手放すなら「捨てる」ではなく、次へ渡すと考えてみる
楽器を手放そうかな。
そう思ったとしても、
すぐ決めなくていいと思います。
まず、
私はこの楽器をこれからも使いたいのか。
そこを考えてみる。
また弾きたい。
思い出として残したい。
買い戻せない。
なら、
残してもいい。
でも、
何年も使っていない。
再開する予定もない。
別のものに興味が移った。
部屋では場所を取っている。
そして、
自分より誰かが使ってくれた方がいいと思う。
なら、
手放すことを考えてもいいと思います。
手放す方法も一つではありません。
売る。
譲る。
委託する。
寄付する。
いろいろあります。
大切な楽器だからこそ、
ずっとケースの中に眠らせるのではなく、
次に使ってくれる人へ渡す。
そんな終わり方もあります。
そして売るのであれば、
自分で、
「古いから価値がない」
「どうせ安い」
と決めなくていい。
自分には必要なくなったことと、その楽器に価値がないことは別です。
一度価値を確認する。
金額を知る。
そのうえで、
売る。
残す。
譲る。
決めればいい。
私は、
楽器を手放すというのは、
その楽器との時間を捨てることではないと思っています。
今まで楽しんだ。
使った。
一緒に過ごした。
そして、
今の自分にはもう必要なくなった。
だから次へ渡す。
手放すことも、大切にしてきた最後の一つの選択
だと思います。

